カトラリーのトレンド
カトラリーは「食べる道具」として、その形は何百年も前に完成されました。
各メーカーが新しいタイプのカトラリーを開発する場合、それは「デザイン」、「色」、「材質」の3つのいずれか(または複数)で新しい試みを取り入れた商品となります。
デザインの傾向
デザインについては、先にも書いた通り完成されているものなので、目新しい物はほとんど出てくる事はありません。
中には奇をてらったカトラリーもありますが、デザイン性を重視するあまり、バランスが悪く使いにくくなります。
使いにくいカトラリーは、カトラリーの本来の目的「料理をおいしく食べる道具」ではなくなり本末顛倒です。
装飾としての傾向は、花柄等の装飾に凝ったカトラリーより、シンプルでスタイリッシュなカトラリーに人気があります。
また、鏡のように磨かれたミラー仕上げより、光を反射しないつや消しが数年前からトレンドに鳴っています。
材質の傾向
材質の傾向としては「チタン」や「銅」といった、熱伝導の高い金属を使ったカトラリーが増えています。
特に「アイスクリーム専用スプーン」として販売されている商品がほどんどです。
熱伝導が高いという事は、手のぬくもりがカトラリーに伝わるので「固いアイスが溶けやすく食べやすい」といったメリットがあります。
しかし、熱い料理を食べる時には、料理の熱でスプーンが熱くなる為「熱いものには使用しないでください」と注意書きがあります。
銅製カトラリー カパーザカトラリー アイスクリームスプーン
ちなみにチタンと銅の熱伝導率の違いは下の表の通りです。
銅の方が性能は上のようです。
色のトレンド
2016年頃から増えたのがピンクです(正確にはピンクゴールド)。
発売直後から女性に支持され、新興メーカーだけでなく、老舗カトラリーメーカーからも発売され始めました。
2018年1月に行った洋食器の展示会では、黒色が登場しました。
重厚感、品格を感じました。
色は毎年トレンドが変わるので、この先も新しい試みのカトラリーが見られそうです。
デザインと引き替えになるもの
デザインにこだわるのは間違ってはいません。
カトラリー本来の目的「料理をおいしく食べる道具」考えた時、デザインが素敵なカトラリーを手にして気持ちが華やげば料理をおいしく食べられるからです。
あくまで一般的にデザインと引き換えに失われるものは次の通りです。
使いやすさ
昔ながらの形のカトラリーは、持った時のバランスが良い形です。
また、老舗カトラリーメーカーであれば、使いやすさは絶対に守る基本の部分です(特に日本の職人さんが作るカトラリーはそうです)。
食器をデザインした事の無いデザイナーのカトラリーは使いやすさが考慮されていない場合がありますので、気をつけましょう。
滑らかさ
数年前からのトレンド、つや消し。
これについて、メーカーの方に質問した事があります。
「つや消しは表面に凹凸があるからつや消しになっているのだから、滑らかさでは劣りますか?」と。
回答は、つや消しの凹凸(ライン)を食べる方向に沿って入れているので、影響は感じられない程に少ない、との事。
但し、ミラー仕上げの方が滑らかなのは間違いない、との回答でした。
これからカトラリーを買う方は、これらの条件も考慮してカトラリーを選んでみてください。
通販では、実際に持つことができないので、まずは1本スプーンを買ってみて、気に入ったら買い揃える方法も良いと思います。