日本製カトラリーのこだわり。フィッシュソーススプーン
展示会でカトラリーの話を聞いてきました。
先日、東京で開催された展示会に行ってきました。
新潟県燕市の洋食器ブランドを中心に各メーカーの新商品、人気商品が展示されているイベントです。
そこでラッキーウッドのブランドで有名な小林工業の小林社長にお話を伺いました。
2010年に自民党の谷垣総裁が訪れた際に話した「日本のカトラリーメーカーのこだわり」について。
日本製を選んだ有名フランス料理店
ある有名なフランス料理店が日本に出店する際の話です。当初は全て海外ブランドのカトラリーを使う予定だったが、1本のスプーンをキッカケにして日本製のカトラリーに変えたそうです。
その1本のスプーンとは、フィッシュソーススプーンです。
フィッシュソーススプーンは、魚料理を食べる為のスプーンで、ソースをすくう為にスプーンのお皿が浅めになっていて、魚や添えられた温野菜を、スプーンの側面でカットする為にも使われる、なんというか多機能なスプーンです。
職人のこだわり=使う人を思うこと
日本の燕市のカトラリーメーカーはこの「魚や温野菜をカットする」用途に着目しました。
スプーンの左側の側面を薄く研磨して、食べ物をカットしやすいフィッシュソーススプーンを作ったのです。
誰かに依頼されたワケではなく、職人さんのこだわりから自然とそうなったそうです。
燕市のカトラリーメーカーのフィッシュソーススプーンは全てそうなっているそうです。
(価格帯によって薄くする研磨の度合いは違うそうです。)
このフィッシュソーススプーンでは、食べ物をカットしやすいので力を入れる必要が少なく、食べ物をポロッと落としてしまう心配も減ります。
また、食材をつぶさないので食感は活きたままになります。
こだわりが結果を結ぶ
このフィッシュソーススプーンに感動して、最初にお話したフランス料理店は、日本製のカトラリーを使うことにしたそうです。
自国のお店では当然のように外国製カトラリーを使っている中で、簡単な決断では無かっと推測できます。
この例のように日本製品には目に見えないところや、言われて気づくような細部に、職人のこだわりが見られます。
流石です。Made in Japan。Made in Tsubame。
また、小林社長はこの話をしながら、決して自分のブランドだけがすごいとは言いませんでした。 海外のブランドに対しても、感心することが多いと話していて、決して偏った意見を述べる方ではありませんでした。
(追記)
今回は触れませんでしたが、もう1つ日本のカトラリーメーカーだけがやっている研磨があります。
この事は、まだ誰も気づいていないそうです。
それを営業に活かせば良いのに、と僕は思いましたが「誰も気づいていない細かな事なのだから言えるものじゃない」とメーカーの方は謙遜しているようです。
また、日本人の美徳として謙虚で寡黙なところがある為に、知られていません。
気になった方はぜひ日本製のカトラリーを眺めてみて下さい。