良いカトラリーの3ヶ条

はじめに3つとも言います!

  1. 金気のなさ
  2. 表面の滑らかさ
  3. 熱伝導率の高さ

料理をいかに「そのままの状態」で味わえるかが全てです。


1 金気のなさ

料理の味をそのまま伝える為には、まずはサビが無いこと(サビは鉄の味がします)、そして、なるべく金気のしない材質が望ましいと言えます。

金属による金気の違いについて
銀または洋白銀器 銀は金気がないので、料理そのものの味を楽しめます。
ステンレス ステンレスは鉄とクロム・ニッケルの合金であり、鉄は金気を感じますが、クロムとニッケルの配合率によって金気が少なくなります。
例えば、裏面に「18-10」という数字がある場合、鉄に18%のクロムと、10%のニッケルを混ぜたステンレスということを意味しています。
高品質なものは「18-8」から「18-18」というもの(更に上も)があり、数字が大きいほど金気はなくなります。ただし、配合率を上げるとその分、値段が高くなるのはもちろん、冷たい色味になってしまうことがあります。

2 表面の滑らかさ

料理の食感をそのまま伝えるには料理をサッとすくって、口にスルッと運べるカトラリーが望ましいと言えます。
表面がザラザラしているカトラリーでは料理を傷つけてしまい、食べたときも舌でひっかかりを感じるでしょう。
これはわずかな差ですが、人間の舌は敏感なのでその違いを感じとります(特に舌に触れる面積の大きいスプーンでは違いが顕著に出ます)
表面の滑らかさは材質と製造の工程数によって変わる為、概ね価格と比例して滑らかなカトラリーと言えます


安価なスプーンと洋白銀器スプーンの滑らかさの測定結果。

実験データ:小林工業
※ラッキーウッドは小林工業のカトラリーブランドの名称です。


3 熱伝導率の高さ

熱伝導率とは、熱が伝わる早さと量です。
熱伝導率が高いと料理の温度とカトラリーの温度が同じになりやすく、温かいものを温かいまま、冷たいものは冷たいまま食べることができます。
熱伝導率は材質によって違いが出ます。


銀とステンレスの熱伝率表
(単位: W・m-1・K-1
銀または洋白銀器 420
ステンレス 15

カトラリーの選び方

ここまで読んで「銀か洋白銀器が良さそうだな」と思われる方が多いかと思います。
しかし、初めてブランドカトラリーを購入する場合、まずはステンレス製をオススメします。
理由は価格の違いと、メンテンナンス性にあります。
洋白銀器のスプーンは1本3,000円程度しますが、ステンレス製の場合は1,000円程度、1,000円以下の物もあります
。 また、銀または洋白銀器のカトラリーはメンテナンスが必要(毎日使う事、そして洗う事が最良!)で、メンテナンスを怠ると変色してきます。
その点、ステンレスはメンテナンスはほとんど不要で、錆びさせてしまう可能性はグッと少なくなります。
ブランドのステンレス製カトラリーであれば、金気をほんとんど感じさせない材質(18-8以上)で、研磨も職人の手によって行われているので、使い勝手の良さは銀または洋白銀器に劣らず、オススメです。

詳しくは、次のページカトラリーの選び方をご覧ください。

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